先日のブログ記事の続きです。
ほぼ満席の聴衆がホールに集まり、コンサートを無事終演しました。
演奏者も裏方スタッフも、いいものを作り上げた達成感を感じる、って何度味わっても良いものです。
リハーサルと本番で、演奏の印象ががらっと変わった曲もあり、その曲をいい演奏にする!という気持ちと、実際、良い演奏になったので、お客もひときわ、大きな拍手が起こりました。
Dr. Noのトランペットのジェームズ・ボンド入場後、弦楽器のメンバーが演奏しながらステップを踏んで、舞台の両側から出てくるのも、盛り上がって良い感じでした。
リハーサルで、Vinicio氏が指示して実際演奏した後、「こういう演奏になると良くない、と皆分かっているのだから、改善してください」で、時間無く次の演目に移り、そのまま本番だったのに、本番は見事な演奏になった、そういうのを体験すると、本当にすごい・・・と感心してしまいます。
聞いたところでは、数回にわたってオーケストラリハーサルを重ねての公演なのですが、
「気持ちや曲の背景を考えること」など内面の作り込みを大事にされていたそうです。
音色を聴くー表面的な音ではなくて内面の感情や歌い方を聴くということ、それによって、心動かすような演奏が生まれるのか。。。
メロディを聴かせるJazzも何曲かありました。
Summer Timeは、南部で働かされるアフリカ黒人奴隷の女性が子どもに唄う子守唄。
「お父ちゃんはリッチで、お母ちゃんは美人。シー、しずかに、何も心配せんでええねんよ…」
奴隷という身分にしばられていた黒人たちからうまれたJazz。 せめて音楽をするときくらいは、自由に….と思っていたのかな。
アドリブは、魂の解放に通じていたのかもしれません。

いつものオーケストラメンバーに加えて、出演したJazzメンバー。
フライヤーには載っていませんでしたが、友情出演のJazzメンバーの演奏も素晴らしかった。
サックスの音色に観客がノリノリになっていく。
ベースが底辺をしっかり支えながらも、とっても楽しそう。
ドラムのスパイスが、曲を引き締める。
そんなわけで、出演者紹介です。

出演者ご紹介
ヴィニーチョ・アレグリーニ(Vinicio Arreglini)
(カリアリ歌劇場オーケストラ首席トランペット奏者)
竹中 真
(ジャズピアニスト、 日本人初のバークリー音楽大学准教授を務めた方です)
斎藤尚男
(ベース)
Swing MASA
(サックス、ニューヨークに拠点を置き、日米での演奏活動に活躍中)
そして、サビーナ・オーケストラのメンバー
本番も、編曲も、たくさんの練習もたくさん影でお世話になった竹中さん。演奏家同士は言葉が違っても「音楽語」で話すのだそうです。
今回のコンサート演奏曲。
【第1部】
Neruda:トランペット協奏曲(ヴィニーチョと弦楽アンサンブル)
J. Pearson:《渚のシルエット(Lazy Silhouettes)》《朝もやの渚(Sleepy Shores》(竹中さんとアンサンブル)
A. Piazzolla:《リベルタンゴ (Libertango)》(ヴィニーチョとアンサンブル)
【アンコール】
A. Piazzlla: 《忘却 (Oblivion)》(ヴィニーチョと弦楽アンサンブル)
【第2部】
M. Legrand:《思い出の夏 (The Summer Knows)》(ヴィニーチョと竹中さん)
R. Rodgers:《私のお気に入り (My Favorite Things)》、中田喜直《夏の思い出》(Quinet: ヴィニーチョ、竹中さん、Sax: MASAさん、Bass: 齊藤さん、Drums: 飯森さん)
M. Norman: 《ドクター・ノオ (Dr. No)》、H. Williams:《夕日に赤い帆 (Red Sails in the Sumset)》 、J. pearson《ヘザー (Heather)》(竹中さんとアンサンブル)
B. Martino: 《夏 (Eatate)》、G. Gershwin: 《サマータイム (Summertime)》(ヴィニーチョ、竹中さん、MASAさん、アンサンブル)
【アンコール】
N. Rota: 《ゴッドファーザー愛のテーマ (Speak Softly)》(同上)
R. Falvo: 《彼女に告げてよ (Dicitencello vuie)》、越谷達之助《初恋》(ヴィニーチョとアンサンブル)
最後の打ち上げも、この演奏のために集まった短い間の演奏仲間たちが、まるで昔から知り合っているかのような、とても楽しい会でした。