フィギュアスケートのショー、実は、生で見るのは生まれて初めてでした。

だいたい、スポーツとしてテレビ中継を見た方が、選手の大写しで、表情まで見られるし、客席からだと小さくて見えないしなー、と思って行かなかったのです。

しかし、今回、平昌冬季オリンピックで、怪我が完治していない状態で、感動的な演技を見せた羽生結弦選手が、関わりのあるスケーターを招いて、ファンへの報告会のイベントをするという情報が。

本人はリハビリ中のため、スケーティングを披露する予定は無いとのことでしたが、本人から報告をするなんていう企画はあまり聞いたことが無い。しかも、これで滑った日には、もう大騒ぎだろうな、という気持ちもあり、逆に新鮮なのでは、と思ったのがあります。

行ってみて感じて、確かめるのがモットーの私としては、当たればラッキー、な感じで申し込んでみたら、当たってしまったという・・・

お、これも何かの縁だな。行こう。

Continues with wings Official siteは画像をクリック

ショーを実際に観て感じたこと。

輝かしい業績をあげてなお、謙虚に年長者を立てる姿勢を崩さない様子や、招かれたことを喜び、プロデュースに徹する羽生選手を讃え、それを観た観客が、感銘を受け、感謝の気持ちを感じていく、その輪が広がっていき、会場には何とも暖かい空気に包まれていました。本当に、心を揺さぶられました。

羽生選手自身が、出演者が自分にとってどんな存在であるかを丁寧に語った動画を観て、そして実際のゲストのスケーティングを観て、なぜ、このスケーターを招いたのか、徐々に理解を深めていくことができました。

羽生選手自身による演技の解説、コメントは、改めて難しい技をこなしていることを再認識しました。

しかも、それぞれ学んだスケーターの良い部分を吸収して自分のものにする、その能力もすごいものですね。

で、最後に、なんと、予定になかったことが・・・・・・

羽生選手が衣装を纏って現れました!2010-2011シーズンのプログラムで着用したものだそうです。「え? 滑ってくれるの?滑れるようになったの? 」と思いつつ、周りを見回すと、観客は大歓声。

怪我の状況から判断して、痛みがなかったため、ジャンプ無しでのスケーティングを披露すると決めたそうです。

ジャンプ無しでも、表現力は素晴らしく、十分見応えありました。

個人的に一番嬉しかったのは、現場で、観客の人たちと一斉に「おめでとうーー!!」と叫べたこと!!

何だかんだ言って、私もお祝いの言葉、伝えたかったんやなー!!

そして、感謝は批評を超える!

どっちを取る?て聞かれたら、感謝を取るほうが、ずっと心豊かになれると思います。

ずっと追い続けて来た方の記事がとても素晴らしいです。

安静期間を経てステップやスピンを確認した時に、すべてに痛みを感じなかったため、この構成を決めたという。幼い頃に滑っていた演技を見てもらうことで、自分の憧れや受け継いだものを感じて欲しかった、と。

その羽生選手の思いから実現したサプライズのひとつは、佐野稔さんの参加だった。22年ぶりとは思えない美しいスケーティングを披露し、日本人初の世界選手権メダリストの存在感を見せつけた。佐野さんを育てた都築章一郎コーチの姿を客席に見つけると「先生、転びませんでしたよ!」と嬉しそうに声をかけた佐野さん。その表情は生徒に戻ったかのように輝いていた。

隣でこれまた嬉しそうな羽生選手も門下生だ。

こうして日本のフィギュアスケート界は繋がって来たのだ。そして羽生選手から次の世代へとまた継がれていく。それを見事に気づかせてくれた特別な時間だった。

中谷ひろみ 婦人画報編集者

Continues with wings 

さらに、涙が出そうになったのが、最終日のプルシェンコさんへのインタビュー!

動画は消えるかもしれないので、テキストで。

羽生:「スケートの好きなところはどこですか」

プルシェンコ:「スケートは私の人生。スケートに関わることを31年やってきた」「このアイスショーに参加できて、ここにいられて本当に幸せ。そして、結弦くんと一緒にいられて、良い関係でいられてとてもうれしく、幸せです」続けて、「結弦くんにお願いがある。どうか、優しくて、まっすぐで、自分を信じる今のままでいてほしい。羽生結弦のファン、世界中のファンたちのために、素晴らしいプレゼントをし続けてほしい。あなたは私のヒーローです」

羽生:「僕がスケートを始めて好きになったスケーターの方が今隣にいるので、プルシェンコさんの憧れの人を聞きたいのですが」

プルシェンコ:「この質問には答える必要はないのではないかと思う。世界中の人々が知っているように、今世界ナンバーワンの選手はあなたです。だから、私の憧れの人物、ナンバーワンはあなたです。もう2カ月前になりますが、五輪でのあなたの演技を見て私の妻は涙を流しました。幸せの涙です。あなたの演技は多くの人に幸せをもたらします。同時に、世界でナンバーワンだということは大変な重荷。だけど、あなたはすべての困難を克服できる。私はそう信じています」

羽生:「(プルシェンコは)ソルトレークシティー五輪ではアレクセイ・ヤグディン選手に勝てなくて、その後、トリノ五輪で勝ったと思うんですが、その時に、色々なことを世界中から言われたと思いますが、どのようにスケートと向き合っていたのでしょうか」と質問。プルシェンコは「あなたも知っているように、ナンバーツーは負け、敗北です。これはとても悪いことです。ただ、私は練習が好き、試合が好き、学ぶことが好き。毎日こういうことをしています。プログラムをつくることも、演技をすることも好きです。それから、多くの観客の皆さんに喜びを与えることが一番うれしいんです。あなたを始め、次の世代が戦っていくのを楽しみに見ています。困難を克服するのを楽しみにしています。そして期待しているのは4回転アクセル。次の五輪でもチャンピオンになってほしい」 

羽生:「一番聞きたかったことを聞けて良かった。傷をえぐることだと思っていた。自分自身も(当時)見てて泣いていましたし。本当にありがとうございます」と述べ、「でも、ロシア語で応えるから応えられることもあるし、僕が日本語でしゃべるからこそ応えていただけることもあったと思います。通訳の方、本当にありがとうございます」

引用元 Record China

このシーンが何度も記憶に蘇り、その度に、暖かい気持ちに・・・

撮影の立場から

また、私は撮る方の視点も気になりました。

このイベント会場、9000人入れるだけあって、とっても大きい!!この場の雰囲、ここで撮ったらどんな感じになるのか。これは、現場に行って感じないと、言葉でいくら言われても理解できない。

だからこそ、私は机に座って学ぶのでなく、現場にほりこんでくれるタイプの師匠についたし、フットワーク軽く、行こうと思ったところに出かける。改めて、そういう現場主義が、私の原点なんだなー、と感じました。

私は、まだまだ小僧だから、さらに高みに触れて経験し続けたいし、その機会を自分でも見つけるし、師匠から提供して頂けるのは、とても有難いことです。

先日は、フィギュアスケートを長年撮り続けているフォトグラファーのも聞けたし、いい刺激をたくさん、いただいています。

ありがたいです。

再び、言語化のプロの言葉を。

足るを知るというのは身の程をわきまえることではない。自分には足りないものはないと知り、そのことに感謝をしてさらに努力することで志が遂げられる——。まさに、彼の生き方を表しているように思う。」

(中谷 ひろみ)