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世界の始まり

私は一時、世界の神話に興味を持って、図書館で様々な地域の神話を読みあさっていたことがあります。
特に、世界はどうやって始まったか、なんて話は、地域によっていろいろな展開がありました。
今回、このウェブサイトの名前、Foxwalk を名付けるきっかけとなったラコタ族の考え方を日本で生かそうとされている松木正さんの言葉に触発されて記事を書いています。
なぜなら、今の風潮として、何か欠けたような欠乏感とか、堂々回り、お前のせいだ、という雰囲気を感じることが時々あるから・・・
もうすこし、違う考えも混ざっていけばいいのに、と個人的には思います。
何かを創り出すには、正しさではなく、破壊と創造性が必要になります。
創造神話は、それをうまく表していると思うのです。

「実はね、世界中の多くの「世界の始まり」の神話=創世神話にトリックスターが出てくるんですが、
なぜだかトリックスターが世界を創っちゃうんです。
ふざけた奴がですよ。
あるトリックスターはバカ丸出しで、時に品行下劣。ある者は完璧に出来上がったものをいとも簡単に壊してしまう破壊者。
あるいは、常識に逆行するあまのじゃく・・・とにかくハチャメチャなんです。
トリックスターが創りだす世界の始まりのプロセスは、論理的・倫理的・道徳的に正しいことは必ずしも真理ではないことを物語ってるんです。」

(松木 正)
それでは、神話のイメージをご紹介します。
興味のある方は物語を読んで、トリックスターを見つけてみてくださいね。

多神教

天瓊を以て滄海を探るの図(小林永濯・画、明治時代)

オリュンポス十二神(ギリシャ神話)

世界樹ユグドラシル(北欧神話)

キリスト教化される前のノース人の信仰に基づく神話。スカンディナビア神話とも呼ばれている。ゲルマン神話の一種

(エジプト神話、ヘリオポリスの信仰より)

原初の海ヌンより生まれた男神アトゥム(信仰によっては太陽神ラー)は、自慰により生じた精液と吐息を吐き出し、テフヌト(湿気)、シュウ(空気)をそれぞれ生じた。シュウとテフヌトの間にゲブ(大地)とヌト(天空)が生まれた。
(地域によって非常に多様性があり、一部のみ紹介)

マルドゥクとティアマトの戦いはアッシリアの救済を表現(バビロニア神話、エヌマ・エリシュ)

バビロニア王ハンムラビがメソポタミアを統一して都市神マルドゥクの地位が向上した、紀元前18世紀に成立したと考えられている。

乳海攪拌(にゅうかいかくはん)1820年頃(インド神話)

ヒンドゥー教における天地創造神話。『マハーバーラタ』、『バーガヴァタ・プラーナ』、『ヴィシュヌ・プラーナ』、『ラーマーヤナ』などで語られている。
偉大なリシ(賢者)ドゥルヴァーサの呪いを解くため、不老不死の霊薬アムリタを作り出すために乳海攪拌を1000年かけて行った。

女媧(じょか、Nüwa)と伏羲(ふっき・ふくぎ、- Fu Hsi または Fu Xi)、(中国)

主に漢民族に伝わる伝説。
中国語には本来「神話」という概念はない。
神という概念はあったが、実のところ歴史時代の前に神話時代があったという世界観ではない。
むしろ、人と神と仙人とが混然としたカオスをなしていると言ったほうがよい。
このあたりが、日本神話やギリシャ神話などとの大きな違いである。

ティキ像(ポリネシア神話)

マウイ (Māui) とは、ポリネシア神話において太平洋に浮かぶ数々の島とそこに住む人々を創造したとされる神。彼に関する神話はニュージーランドのマオリ族、ハワイ、タヒチ、サモアなどポリネシアの広範囲に渡って残っている。

一神教

ギュスターヴ・ドレの作品「光あれ」

アラビア語で書かれた「アッラーフ」の文字

イスラム教では、すべてのものはアッラーフ(アラビア語で「神」、イスラム教では神は唯一で絶対である)によって創造されたとされる。

神話のモチーフは、特に北欧神話は、ゲームやファンタジー創作に取り入れられている例が多いですね。
また、最近ではポリネシア地域は「モアナと伝説の海」で注目されたためか、マウイで検索すると、ディズニーのマウイばかりヒットします。
こちらのブログも面白そうです。
筆者は、
古代において、神話は子供たちに、人間はいかに生きるべきか? ということを教える教育的役割を果たしていました。
理想的な人間像を提示するだけでなく、人生において遭遇するであろう困難をどのように回避・克服すべきか? という知恵を授ける効果もあったのです。
神話学者ジョセフ・キャンベルは、現代の子供たちの心が不安定になったのは、神話が失われたからであり、神話をもっと読み聞かせるべきだと語っています。
と述べており、一理あるなぁ、と思いました。
神話の構造

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