8月、東地中海の音楽のリズムやメロディについてのワークショップが、箕面多文化交流センター Comm Cafe にて開催されました。

予告記事はこちら

学校で習う西洋音楽のしくみとは全く違うしくみを持った音楽。

音の豊かさに、参加者もビックリしていました。

これからの話は、西洋音楽の音符や楽典は、まず横において下さいね!
平均律の音階は、無理やり12音に割り当てていますが、民族により音階の区分分けは、皆違います。

音楽の分布から見た東地中海地域という範囲

北アフリカ、バルカン、パキスタン、インドあたりにまで及ぶ地域。

(だいたい薄い赤の楕円あたり)

BC2年の地図
北アフリカからインド辺りまで(世界の歴史まっぷ)

講師:

アポさん(パーカッション奏者)

大阪大学トルコ語学科準教授を経て、現在、イラン北部のクルディスタン地域最古の大学、サハラッディン大学言語学科で教鞭ととっている。

常味裕司さん(ウード奏者)

日本を代表するウード(アラブの弦楽器)奏者

打楽器を教えるアポさん
丁寧に指導されてます。
常味裕司さん
悠久のときの流れを感じるウードの音

アポさんは、かなり時々、常味さんも数年前に一度、撮影で関わらせて頂いた方です。

撮影というより、音楽の世界に触れに行きました。

(なので写真はiphone です)

アポさんのパート

リズムを体感を通じて学ぶ感じ。

まず、リズムを口ずさめないと、叩くところまでたどりつけません。

古来より、効果がある方法として、まず口ずさみ、手で膝などを叩いてみて、動きを覚え、それから楽器を叩く段階に入ります。

単純化された基本のリズム(Ana アナ:おかあさんのリズム)を練習。

慣れれば、次にちょっと遊びや装飾音を入れたバージョン(Velvele ベルベレ)。

velveleになると、音楽の流れに乗る方が重要になってくる感じがしました。

リズムの名前

全体の構造だけ書き出すと、

Nim Sofyan ニム・ソフィアン (2拍子)

Semai セマーイ(3拍子)

という単調なリズムがまず基礎にあり、それを組み合わせたり、複合させたリズムがとてもたくさんあります。

小さいリズムだと、2拍子から15拍子

大きいリズムだと15拍子以上のものもあるそうです。

そして、Take5という曲は、トルコ人ミュージシャンの耳で捉えると、3・3・4の10拍子に聞こえるのだとか!

確かにそうともとれるなぁ、と目から鱗。

常味さんのパート

そんなこんなで、少し休憩をはさんで、常味さんのマカームについてのお話。

マカームとは、アラビア語で「留まるところ」を意味し、「場所」「地位」などに使われます。自分の音楽の立ち位置をはっきりさせる。

この音から自分は今、どれくらい離れた位置にいるのかというようなものだそうです。

西洋音楽は、ハーモニー(和声)を重視しますが、マカームを使った音楽では、それほど重視されません。マカームの展開の仕方が重要だそうで、西洋音楽と聞き所がちょっと違うようです。

「1オクターブは、ピアノではたったの8音+黒鍵5音で表されるが、アラブや東地中海の音楽では24音に分けられ、それぞれ音の名前が付いている」(アポさん)

そのあたりを体感してもらうため、常味さんは、「ド・ソ」と歌った後にちょうど、真ん中の音の「ミ」をみんなで歌い、その後、「レ・ファ」と歌った後、同じく真ん中の「ミ」を歌いました。

同じ「ミ」でも、微妙にニュアンスが違うのが実感でき、しかも、参加者全員、知らなくても「真ん中ー」、と意識するだけで出せる音だったのです。

これが、いろいろ理屈抜きで感じる微分音(半音よりさらに細かく分けられた音程)

文字を読んでもイマイチ理解できなかったので、さすがだなぁ、とうなるのでした。

そして、次に歌ったのは「カエルの歌」!

しかも、いろいろなマカームで。。。

これらの様子は、下記のFacebook Pageにアップされています。

Comm Cafe

今回のワークショップは、まだ導入編です。

希望があれば、何回かのシリーズで開催することも考えるとか!

マカームの理論的な部分を知りたい方は、こちらも。

夜はディナーライブで実践!!

常味さんとアポさん
リハ無しで本番、でも流れを読むのはさすがプロです。

この後、さらに豪華なことに、講師のお二人によるディナーライブ。

実は、リハーサル無しのぶっつけ本番。

その場で、概略を決めて、細かいところは、常味さんが合図を出し、アポさんがそれに乗っていく感じ。

時々、ワークショップ参加者で打楽器をみんなで叩いたりしながら、楽しく時間が過ぎ、拍手!!

ここまでぶっ通して関わると、何となくではあるのですが、ミュージシャンが演奏しているとき、どんなところが見せ所なのか、とか、この演奏にはこういう背景があったのか、といった、だた聞いているだけでは分からなかったことを感じられます。

さらにその音楽が生まれ育った土地や歴史の背景などにも興味を馳せると、また違った景色が、見えてきますし、どこに情熱をもったのか、という理解も、すこしずつ、感じられる・・・

そうすると、のめりこみ感が、写真にも出るのです。その場にいた人からも、共通したものを感じてもらえたり。

そんな瞬間が私は好きなんですね。

そして、そんな場を創り出してくれるミュージシャンが、もっと活躍してほしい。

そんな気持ちも出てくるのです。

応援を、微力ながら。