インド北西部地域にあるインド一広い州、ラジャスタン州。面積342,236 km²。パキスタンとも国境を接しています。
その地域の踊り、音楽、文化に惚れ込み、通い詰めているダンサー2人によるイベントが開催されました。
「ゴールデンシティ」ジャイサルメール (Jaisarmer)
「ブルーシティ」  ジョードプル(Jodhpur)
「ホワイトシティ」 ウダイプル(Udaipur)
「ピンクシティ」  ジャイプール(Jaipur)、州都です。
このように、都市に色がつくほど、インドの中でも最も色鮮やかな州として知られるラジャスタン。
手しごとを愛するマハラジャの庇護の下、大切に育まれてきた工芸品のお店や工房もあるとのこと。
名前の由来は、「ラジャ=王様」「スタン=国」で、「王様たちの国(藩王国)」。
「マハラジャ」というのは「マハ=偉大な」「ラジャ=王様」で、藩王のこと。
日本で言えば、「〇〇藩のお殿様」のような位置付け。しかし、マハラジャ制度は、インド独立の1947年に廃止されました。この時没落したマハラジャも多い中、ここラジャスタンでは今でも憧れや尊敬を集めているのです。
三好和義さんが、その貴重な写真を撮影されています。→ 関連記事
マハラジャ ポートレート

Contents

ラジャスタンを知ったきっかけ

写真、動画、そして踊りを交えながら、紹介してくれたのは、NalikaさんとMadhu さん。
(詳しくは、お二人のサイトなどを訪れてみてください。)
色彩豊かな布地・衣装・アクセサリーをまとって、アップテンポな思わず踊りたくなるような音楽が流れる。
そんな雰囲気の中にいると、ここが日本であることすら忘れてしまう、とても楽しいイベントでした。

今回お話いただいたのは、ダンサーお二人のラージャスターンでの生活と様々な職能カーストについて。
何がきっかけで、ラジャスタンを訪れるようになったか、についてのエピソードで共通していたのが、
トニー・ガドリフ監督の「ラッチョ・ドローム(よき旅を)

自身のルーツでもあるジプシーを一貫してテーマに取り上げているトニー・ガトリフ監督が、ジプシーの永きにわたる流浪の歴史を音楽を通して壮大に綴った映像叙事詩。
約1000年前、インドからアラブを経てヨーロッパへと長い放浪の旅に出たジプシーたち。
そんな彼らの足跡を辿る中でジプシーの真の姿に迫る異色作。


踊っているのは、スワ・デヴィ・カルベリアさん。
2013年の映像ではこんな感じ。

ラジャスタンの職能カースト

イベントで聞いたユニークなお話。
マンガニヤール(Manganiyar)
ヒンドゥーの楽師コミュニティ。フォークや、王族の系譜、英雄を讃える叙事詩などを伝えている。
現代のように演奏が盛んに活動するようになったのは、コマル・コタリKomal Kothaliの功績が大きく、彼の再興活動によって、インドを代表する民俗芸能の一つ として認められ、今日では世界中に熱狂的なファンを持つようになりました。

ランガ(Langa)
ムスリム(イスラム教スンニ派)の楽師コミュニティ。歌の贈り手という意味。
ジャイサルメール中心に活動。ジャイプールのマンガニヤールと共にラジャスタンの伝統音楽の2大コミュニティとなっています。ランガは、パトロンであるムスリムのためにだけ演奏してきた歴史上、スーフィーの要素も残っている印象も与えます。

カルベリア (Kalbellia)
蛇使い族。蛇笛と太鼓に合わせて歌い踊ります。もともとは芸として披露するものではなく、内輪で、自分達の楽しみのためのものでしたが、生活のためにプロフェッショナルに踊るようになりました。
地域によって少し踊りの感じは変わります。
1970年にワシントン条約により蛇を使って笛に合わせて見世物をすることができなくなったため、現在は行われていない。その代わり、踊りや蛇の薬などで生計を立てている。

ボーパ(Bohpa)
ヒンドゥーの放浪芸人。各家で喜捨を乞い、招かれると、パプジー・キ・パド(ラージプートの英雄神パプジーの絵が描かれた幕(パド))を前に、ラボナハータ(Ravonahata)という2弦の弓奏楽器(多くは自作)を演奏し、絵解きをして弾き語りをする。サンギットボーパは、演奏や踊りも行う。
神降ろしを行う。

カトプトリ(Kathputli)
素朴ながら繊細で時に滑稽な動きで観る人を魅了するユニークなインドのあやつり人形を操る人形劇で踊りや音楽を演奏する。ジャイプール中心に活動。文化交流プログラムにより、ヨーロッパや日本などでも公演されることがある。
なぜかマイケル・ジャクソンもよく登場するそう。

ドール(Dhole)
ナガラという太鼓を演奏する。

関連記事;
インドの蛇遣い族の踊り、カルベリアダンス
参考サイト;
BAILE 
みやびタックダンスアカデミー

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