宮古島の聖域、大神島へ
沖縄には、独特の琉球宗教とも呼べるものがあり、本州の神様とは全く異なるという認識で接するのが良いと言えるでしょう。
なので、神様の声を聴く、という畏怖の心が消えかけていくことには、私自身、非常に惜しい気持ちがしています。
そして今回訪れた大神島は、その名の通り、神の島と言われ、島民以外はむやみに立ち入ることのできない神聖な御嶽(うたき)が多く存在します。
島面積 | 0.24 km² |
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海岸線長 | 2.75 km |
最高標高 | 74.4 m |
2008年4月より児童数がゼロとなり、小中学校もなくなり、最年少住民は現在50代というという非常に限られた人だけが住んでいる島です。島内には病院もありません。半農半漁の小さな島。
沖縄の島々に息づく「まつり」の世界。
海のかなたから神がやってくると信じ、神とのつながりを大切に生きてきたた歴史があります。
知らずにその場を荒らした人はことごとく、災難に見舞われた実話が残っています。
その話を聞いていたため、島のガイドに案内をお願いしました。生まれも育ちも、大神島の方です。
ただ、基本的に自給自足の島のため、島の外で働いた経験もお持ちでした。
ここでは、神様は海からやってきます。
それは下の写真からも見てとれます。
このコンクリートは、なぜ真ん中が削られているのか?
ガイドさんによると、
ここが神様の通り道だから、開けておかないと、登って来れなくなると、司ンマ(ツカサンマ=巫女)が指示したのだそうです。
写真の右から左に向かって神様が島に上がられ、左側にある大きな岩に宿るため、必要なことだと。
人間の身勝手さと共存するのは大変だな・・・。
ここは、立ち入ってはいけないエリアも近いようで、道からは外れないようにしました。
私が今回訪れたときは、ほとんど雲のない真っ青な青空と、干潮というタイミングが重なりました。
それで磯の珍しい生き物もじっくり観察できました。
印象的だったのは、
人工の音がしない、素朴な自然だけの音環境。
ふだん、いかに人口音に囲まれて暮らしているか・・・遮断されることで、いっそう、滞在している時間が貴重に思えました。
大神島の、生徒一人の運動会の様子
2011年、小中学校は廃校になり、建物も取り壊されました。
当時の記事→☆
大神島の伝説
いくつか、書き写します。誤りがある場合はお知らせください。
島に上がったら、最初に目につくところにある小さな拝所(ウガンジュ)で、拝み、挨拶しましょう。
その後、ある民家の前を通ります。
実は大神島の住民のルーツとなる家だそうです。
300年ほど昔、大神島に宝を隠そうと海賊がきて、大神島にすんでいる人たちを、一ヶ所に集めて焼き殺しました。
その中で唯一、兄妹が生き残って、そこから子孫繁栄をしたともいわれています。
巫女は、まず、この家を訪れるそうです。 ただ、巫女は、見ても見られてもいけないらしく、巫女が来る前日までに、家の人は鍵をかけずに家を明け渡し、島尻の村に留まるそうです。
遠見台(トゥンパラ)の頂上に行く手前に、大きな岩があり、その下に拝所があります。
この拝所と岩は聖域のため、歩道から見るだけにしてください。
島の中で最も重要な神事を行う場所で、この岩に神様が降りてくるそう。
ウヤガン(祖神祭)といい、旧暦の6月から12月の間に大神島や宮古島の狩俣、島尻で行われる豊年祈願です。
50歳以上の女性達が黒の装束をまとい、神に祈りを捧げるもので、神事は男性禁制、祭りに関係のある女性以外は寄せ付けない秘祭です。
祭儀の大要は厳しい籠り儀式を経て女神役達が最高の祖先神として登場し、村落を祓い清め、豊饒を与えて去っていくというものです。
現人神であるウヤガン達を正面から見たり、出会ったりしてはいけないという伝承があるそうです。
岩以外にも聖域が点在するらしいので、基本的に柵の外には出ないほうがいいです。
おじゃまさせてもらっているという気持ちを忘れずに、地元の方々に配慮しましょう。
*海賊キッドが宝を隠した伝説もネット上にありますが、ただし、キャプテン・キッドは大西洋及びインド洋を中心に活動しており、大神島はその活動範囲からは大きく外れています。
さらに、ディープな宮古を知りたい方へ
「スケッチ オブ ミャーク」
用語
- 拝所(ウガンジュ):沖縄地方で神霊がよりつく聖域
- 御嶽(ウタキ):琉球の神話の神が存在、あるいは来訪する場所であり、また祖先神を祀る場でもある。地域の祭祀においては中心となる施設であり、地域を守護する聖域として現在も多くの信仰を集めている。琉球の信仰では神に仕えるのは女性とされるため、王国時代は完全に男子禁制だった。現在でもその多くが一定区域までしか男性の進入を認めていない。
参考サイト。興味のある方はどうぞ
兵庫県出身。関西の契約スタジオをメインに撮影を始め、現在撮影歴17年目です。
これまでに150組以上の新郎新婦の撮影、15冊以上のダンス雑誌への掲載、20公演以上のダンス・オーケストラの撮影経験を通じて、表情や動きの瞬間を捉えることに長けています。最近では、竹本祥乃監督の初長編映画「にしきたショパン」のロケ写真を担当しました。
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