ライティングによってどれくらい人物の顔が変化するのか?
ライティングとは?
ライティングとは、写真撮影において光の当て方や配置を工夫することです。
光は写真の雰囲気や被写体の印象を大きく左右するため、ライティングは非常に重要な要素です。適切なライティングを選ぶことで、被写体の魅力を最大限に引き出すことができます。
ライティングの種類と特徴
自然光
自然光は、太陽からの光を利用する方法です。時間帯や天候によって光の質が変わるため、自然な雰囲気を表現しやすいです。
人工光
人工光は、ライトやフラッシュを使用して光を作り出す方法です。光の強さや色を自由に調整できるため、コントロールしやすい利点があります。
ミックスライティング
ミックスライティングは、自然光と人工光を組み合わせて使用する方法です。多様な効果を得られるため、創造的な撮影が可能です。
ライティングによる顔の変化
ライティングの角度
光の角度を変えることで、顔の陰影が変わり、立体感や表情が異なって見えます。上からの光はドラマチックな影を作り、横からの光は顔の輪郭を強調します。
ライティングの強さと拡散
光の強さを調整することで、柔らかい光から強い光まで、さまざまな表現が可能です。拡散させた光は、肌を滑らかに見せる効果があります。
影とハイライトの効果
影とハイライトは、顔の特徴を際立たせる重要な要素です。適切に配置された影は、顔を引き締め、ハイライトは目元や頬の輝きを強調します。
実際のライティング角度の事例動画
光の当たり方で、同じ人でも表情ががらりと変わる様子がわかる動画を紹介します。
ナチョ・ガズマン(Nacho Guzman)さんが製作した動画です。
同じ人でも、光の方向次第で、別人のように顔が変わります。
本当に常に顔が変形しているかのようですね。
撮影はCanon 5D MarkⅡと、Canon 24-105mm F4とSamyang 35mm F1.4の2つのレンズで行われ、光源は10x10cmのLEDなど安価な照明機材のみを使っているそうです。
光の色・質による影響が大事だということが、よりイメージしやすくなったのではないでしょうか?
フランスの映画作家であるアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの作品で、嫉妬に狂った夫の心理を表現するために似たようなシーンを使われているのを見て、着想を得たそうです。
光の性質と影
いい写真のためには光の性質や影のでき方を知っておく必要があります。
いろいろな光・影をみて、イメージを前もって決めておきましょう。
絵の模写や、デッサンも参考になるかもしれません。
また、できるだけ現場で実践しないとなかなか身につかないもの。
この記事で理解できるのは、全体の10%程度かもしれません。
自然光を使用したポートレート
自然光を利用して撮影したポートレートは、柔らかく温かみのある表現が可能です。窓際や木漏れ日の下で撮影すると、美しい自然な光が得られます。
スタジオ撮影でのライティング
スタジオでは、人工光を駆使して理想的なライティングを実現します。ライトの配置や強さを細かく調整することで、被写体の魅力を引き出せます。
屋外撮影での工夫
屋外撮影では、自然光をうまく活用しつつ、リフレクターやフラッシュを使って光を補助します。背景との調和を図りながら、被写体を際立たせる工夫が求められます。
ただ、基礎知識として用語は知っていると、撮影の時、理解の助けになると思いますので、以下に説明を書いておきます。。
(なお、光は、機材でも太陽でも、メイン光源はどこから当たっているか?を表す用語となります。)
光源の形
- 点光源:一点から光が発散する光源、影が強く出る。集光と拡散光がある。
- 面光源;光源が面内に無数にあって光がすべての点から全ての向きに発散する光源、柔らかい拡散光。カメラの証明方法としての面光源は、バウンス光、ディフューズ光、透過光がある。
被写体に当たる光のコントロール
- メインの光を決める。(その撮影のキーポイントになる光)。必要に応じて、他のライトを加える。
- 影と光のコントラストの強い光にするか、柔らかい光にするか 決める。
- 余分な光や、不必要なハイライトを取り除く。
- 暗部を補う(レフ板などバウンス光)
- 写り込みを消したり加えたりする。
ライトの役割と効果
●メインライト
最も重要で、撮影のキーポイントになる光をこう呼びます。
●サブライト
メインライトでできる影の部分を明るくして、画面の照明比を整える。抑えのライトとも言われる補助光線。
●エフェクトライト
画面に効果を与えるライト、アクセントライトおも言われる。
例えば髪に光の輪を加えてツヤを強調したり・・・・入れないこともあり、必須ではありません。
これらの光を水平方向でどの位置から、どの高さから当てるのかによって、いろいろな光が生まれます。
撮影者が、実際自分の目で見た明るさと写真での明るさがどう違うのか、自分の感覚で掴むこと。
これが、経験無しには難しい部分です。
影に関するクイズ
中学の受験問題でも、影の予想問題があったりしますね。暇なとき、頭の体操にどうぞ
木と建物の問題
動画のような場所に、ある時刻に垂直に立てた0.8mの棒の影の長さは、1.6mでした。
同じ時刻に建物の建物にうつる木の影の長さは何メートルですか?
点光源と立体の影の問題
動画のように、水平な地面に、直方体の形をした建物と、地点Aから垂直に立つ街灯があります。
街灯に灯りがついた時に、地面にできる建物の影の部分を真上から見た様子を右下の図に色または斜線をつけて示し、その面積を求めなさい。
機材としてのランプの種類
これは、純粋に製品としての光源の種類です。白熱電球からHIDランプ・LEDまで、
人工の光の色も、これでわかりやすいかな?
実践的なライティングの練習方法
初心者向けのライティング練習
初心者向けには、自然光を利用した撮影がおすすめです。日中の窓際で光の変化を観察しながら、撮影を繰り返すことで技術が向上します。
プロフェッショナルを目指すためのステップ
プロフェッショナルを目指すためには、様々なライティングツールを使いこなすことが重要です。スタジオでの練習や、実際の撮影現場での経験を積むことが大切です。
撮影後のフィードバック
自分の撮影を見直す方法
撮影後は、自分の写真を振り返り、ライティングの効果を評価します。成功した点と改善点を明確にし、次回の撮影に活かします。
改善点の見つけ方
改善点を見つけるためには、他のフォトグラファーの作品と比較したり、専門家からフィードバックを受けることが有効です。自分の技術を客観的に見直すことで、成長につながります。
兵庫県出身。関西の契約スタジオをメインに撮影を始め、現在撮影歴17年目です。
これまでに150組以上の新郎新婦の撮影、15冊以上のダンス雑誌への掲載、20公演以上のダンス・オーケストラの撮影経験を通じて、表情や動きの瞬間を捉えることに長けています。最近では、竹本祥乃監督の初長編映画「にしきたショパン」のロケ写真を担当しました。
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