写真をこんな風に撮りたい。思い出や記念を残したい。
あなたはそんな風に写真を始めたのでしょうか。
覚えていますか?
何だ、この機械は?今見ているものそっくりに写るぞ?
・・・そしてカメラのサイトを色々見るようになります。専門用語がたくさんあるし、仕組みもなんだか良く分からない。
分からないなりにいろいろ勉強して、それなりに技術の知識がついてくると、いろいろな人のいろいろなレビューや評判に右往左往。。むしろ撮ることより機材に夢中になったり。
つい撮ることに夢中になって周りが見えなくなってしまったり。
そんなあなたに、原点を思い出させてくれる映画のご紹介です。

「パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー 永遠の3秒」

私の好きな写真家の一人が、ロベール・ドアノー氏。2014年に京都 何必館にも展示されたのを見に行きました(館長とドアノーは親交があった模様)。 「パリ市庁舎前のキス」が有名ですね。1950年LIFE誌の依頼で撮影。
この写真がきっかけで、「パリ=ロマンチック」というイメージが定着した作品です。

彼は写真の前にまず人生があるんだ。

これが、撮影のとき、技術、スペックよりまず、最初に心が動く要素だと思うのです。
撮ったときは何も思わなくても、何年か経って、急にそれが、かけがえの無い瞬間だったと気づく。
それが、写真の持つ力。
「生涯の中で出会う様々な出来事、その中で我々の成しうることというのは、ごく僅かしかない。だからこそ、目の前の事実に対しては常に謙虚でなければならない」
ドアノーは「永遠から獲得した数分のうちの1秒」と表現しています。
そんな風に考えるって素敵だと思いませんか?
予告編も、なかなか深いこと、言ってます。しかも、監督は、ドアノーのお孫さん。
おじいちゃんも喜んでるだろうな。

作品情報:

■原題:Robert Doisneau: Through the Lens
■製作:2016年 フランス
■配給:ブロードメディア・スタジオ
■上映時間:80分
■キャスト:ロベール・ドアノー、ダニエル・ペナック、サビーヌ・アゼマ、ジャン=クロード・カリエール、堀江敏幸 ほか
■監督:クレモンティーヌ・ドルディル

カメラ任せで、半自動的に撮った写真ではなく、自分の思いを写真に込めたい人へ。

写真は、言葉と同じく、インプットしてそのイメージを自分の体を通してアウトプットする。

その繰り返しで、どんどん本質に近づき、人間の感情の機微に迫れるのではないか。

そのためには、良い写真をどんどん、脳にインプットしよう。

そんな思いで、フォトグラファーを紹介するシリーズ。