ダライ・ラマ14世のドキュメンタリー映画で、スチール撮影を行うという、貴重な体験をしました。

また、沖縄での平和祈念イベントにも出席し、心に響く平和のメッセージを届ける様子を写真に収めました。

撮影の裏側やイベントでのエピソードを紹介します。

撮影のきっかけ

映画「シンプルモンク」のスチール撮影

インディペンデント・ドキュメンタリー映画「シンプルモンク」を撮影している監督 葛山嘉久氏とたまたま知り合ったのがきっかけです。

監督 葛山嘉久さん、撮影技師 中村夏葉さんと私が撮影チームとして、行動を共にし、ドキュメンタリー映画撮影の経験という貴重な機会をすることが出来ました。

撮影したのは、2009年11月、ダライ・ラマ14世猊下が、初めて沖縄の「魂魄(こんぱく)の塔」「沖縄菩提樹苑」訪問の様子を、報道陣に混じって、プレスホルダーを身につけ、映画のためのスチールを撮影しました。

魂魄(こんぱく)の塔 訪問

動画の最後の方に写っています

魂魄の塔(こんぱくのとう)は、沖縄本島南部の糸満市米須、沖縄戦跡国定公園内にある慰霊碑・慰霊塔です。

沖縄戦終結間もない1946(昭和21)年2月、真和志村民による収骨活動により、終戦後の最も早い時期に建てられた慰霊碑です。

一帯は戦没者の遺骨が、道路、畑の中、周辺いたる所に遺骨が野ざらしで散乱し、ミイラ化した状態の遺体、折り重なるように見つかった大人や子供の遺骨があり、激戦地で逃げ場を失った住民の悲惨な最後を留めていたそうです。

ミイラ化した遺体は「グブリーサビラ(失礼致します)」と合掌して手足を崩し、一番上に頭蓋骨を乗せて「ウンチケーサビラ(ご案内致します)」と米軍の担架で運び出したと伝わっています。

金城村長によって「魂魄の塔」と命名され、数年かけて3万5千余柱の遺骨を納めたとされています。

なお、1974(昭和49)年12月に供養祭を行い、翌年1月に遺骨は魂魄の塔から戦没者中央納骨所へ移動しています。


ダライ・ラマ法王は、報道陣が囲む中、慰霊碑に線香を手向け、手を合わせて犠牲者の冥福を祈りました。

またブッダが悟りを開いたとされる菩提樹のわけぎが植えられている「沖縄菩提樹苑」を訪問し、平和祈願の苗木の植樹を行いました。

その後、沖縄戦の傷跡に触れ、「沖縄の人たちが経験した悲しい歴史を平和を求める決意に変えてほしい」と呼びかけました。

去る時に、カメラを向ける私たちにも手を振られ、全くの予想外で、ドキッとしたのを覚えています。

「平和の礎(いしじ)」訪問

動画初めの方で少し写っています

「平和の礎」は、太平洋戦争・沖縄戦終結50周年を記念して1995年6月23日に建設

沖縄の歴史と風土の中で培われた「平和のこころ」を広く内外にのべ伝え、世界の恒久平和を願い、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられたすべての人々の氏名を刻んだ記念碑のことです。

「平和の広場」では、広場の中央には「平和の火」が灯されています。この「平和の火」は、沖縄戦最初の上陸地である座間味村阿嘉島において採取した火と被爆地広島市の「平和の灯」及び長崎市の「誓いの火」から分けていただいた火を合火し、1991年から灯し続けた火を、1995年6月23日の「慰霊の日」にここに移し、灯したものだそうです。

法王は、宗教的な壁を越えて、もっと高い視点から、つながっていこうというメッセージを持っている印象を強く感じました。
そして、理念を説くだけでなく、それをどう行動に移していくのか。
猊下一人ではなく、みんながそういう理念を共有できれば、どんなことが起きるか。それを期待されているような気がします。
他人を利用するとか、コントロールすることは、たしかに人を巻き込みやすいかもしれません。
でも、それは高い視点から物事をみているということにならないのではないかな、と思います。

撮影したドキュメンタリーが下記になります。

ドキュメンタリー「命(ぬち)どぅ宝 ダライ・ラマ法王 沖縄訪問の記録」

映画「シンプル・モンク」は、最終的には事情により、制作公開されず、「命どぅ宝」という記録映像になりました。

撮影を振り返って

ダライラマ法王という世界的に有名な方を実際に間近で撮影するという、非常に貴重な体験となりました。

もちろん、現地集合で、宿も自分で手配しています。

撮影後は沖縄市内で、監督や撮影技師の方と、この映画が撮影に至るまでの経緯など、いろいろな話をしたことを覚えています。

この撮影を通じて、平和と慈悲の重要性を改めて感じました。

特に沖縄での平和祈念イベントは、

「自分自身の繁栄は、隣人の繁栄によってもたらされる。隣の人を破壊することは、自分自身を破壊することである」

という言葉に深く感動しました。

そして今回のように宗教の垣根を超えて、指導的立場の人たちが祈りを捧げている様子に、世界で再び争いが起こらないよう、願わずにいられませんでした。

私たち一人ひとりが日常の中でできる小さな行動が、世界をより良い場所に変える力を持っていることを忘れないようにしていきたいです。

最後に、このプロジェクトに関わったすべての方々に心から感謝の意を表します。

また、この記事をお読みいただいたあなたにも、心から感謝申し上げます。